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お墓の知識お墓の知識

お墓は、一生に一度の大きな買い物です。
後悔しないためにも、お墓についての知識をしっかり勉強してから選びたいものです。
一般的なお墓の知識と墓地の選び方は下記を参考にして下さい。

お墓の歴史とトレンド

最近でこそ、新しい形のお墓が生まれてきたけれど、伝統的なお墓はずっと昔から同じ…そんな風に思っていませんか? 実は、お墓の意味や形は、その時代によって様々に変わってきました。

古代~中世は供養塔お墓(石塔)を建てるようになったのは、古代の末期からですが、それは貴族や有力な武士だけでした。
一般の人までそれが広がるのは中世後期になります。それまでは、貴族ですら「遺体をどこに埋葬したか」などあまり気にせず、墓参も行われませんでした。
一方、供養の期間が長くなり、鎌倉時代には、初七日、百か日、一周忌、三回忌など十仏事が発達しました。
一般の人が石塔を建て始めた中世後期でも、石塔は「○○之墓」といった「ここに遺体が埋まっている」という墓標ではなく、五輪塔などによる「供養」のためのものでした。
今のタイプのお墓が出てくるのは、江戸時代中期になります。

江戸時代の家制度によるお墓今のようなお墓を建てるようになるのは、先祖を祭り、家産を持ってそれを子孫が継承するという家制度が、庶民にも次第に浸透していったからです。特に江戸時代になると、本百姓(江戸時代の基本的な農民で、農地や屋敷を持つ一方、年貢を納める義務などを負った)の制度が確立し、庶民にも徹底化されることとなります。
江戸時代のお墓は個人ごとに建てることが基本でした。当時は土葬だったことも大きな理由です。
お墓は個人単位でも祭祀を執り行う組織は家でした。ただ、当時の「家」はいまの「家」とは違い、血縁だけで成り立っていたものではなく、非血縁者である使用人なども取り込んでいました。
そのため、子孫のいない使用人などは、奉公先の旦那の菩提寺に埋葬していました。
もっとも、埋葬方法は「お寺の墓地にあらかじめ掘られている溝に埋め、奉公先の旦那が卒塔婆を建てておしまい」というものもありました。
江戸時代のお墓は、それ以前の機能だった「供養」に「埋葬された故人の標」が加わりました。ただ、埋葬された遺体はあまり顧みられませんでした。
というのも、江戸のまちは明暦の大火(1657年に起こった大火事)以降、火除け地をつくるためなどでお寺が頻繁に移転しました。このとき、石塔はお寺と一緒に移転されましたが、地面の下の遺体はそのまま置いていかれたことも多かったのです。現代の東京で、工事で地面を掘ったときに人骨が大量に出ることがありますが、その骨はこうしたお寺の移転に際して置いていかれたものです。

現代は核家族から自己責任のお墓へ戦後、家制度は廃止されても、この家単位で祭祀を行う家墓制度はゆるやかに続いていきました。たとえば、音信不通だったおじさんが死んでも、「しょうがないな」ということで、本家のおい・めいが遺骨を引き取って家のお墓に入れていました。
しかし、次第に核家族という〝純血思想〟が高まります。お墓の管理はずっと続くので曖昧にはできないため、「おじさんはうちの墓には入れない」ということになり、核家族ごとにひとつのお墓を持つことが必要になります。
1990年代以降、少子化などの影響によりお墓の承継が問題になります。自分のお墓のことまで考えなければならなくなることは、自己決定権といえば格好いいですが、死んだあとのこともすべて自己責任となるので、かなりきつい世の中になったともいえます。91年に散骨、99年に樹木葬が始まったのは、こうした流れからでしょう。
ただ、死者を記憶し、追悼する装置としてのお墓の役割は、現代はむしろ先鋭化しています。
昔は、お墓のほかにも位牌や各種祭祀といった儀礼など、死者の記憶をとどめておく装置はたくさんありました。
しかし、合理化の波のなかで位牌は意味を失い、儀礼は単純化され、遺骨という直接的なものを納めるお墓だけが残りました。
その一方で、子供などお墓の祭祀承継者を持たない人が増えるなか、従来のお墓は機能しなくなっています。
お墓の持つ死者を記憶し追悼する空間を、今後社会がどのように確保するかが課題となるのではないでしょうか。 現代は核家族から自己責任のお墓へ

墓石の種類と構成

墓石の形の種類には、「和型」、「洋型」、「ニューデザイン」などの種類があります。ですが、墓地によっては、制限がある場合もあります。和型の墓石は、中心となる石塔だけではなく様々な付属品で構成されています。

墓石の種類 墓石は墓標、つまりお墓の標(しるし)として建てる石工品(石製品)のことで、一般的に故人の戒名や俗名、没年などが刻まれます。古い墓地などで見かける五輪塔や宝篋印塔、宝塔、多宝塔、無縫塔などを総称して「供養塔」と呼びますが、これは死者供養のため、または供養会を行なった印として建てた石塔で、もともと中世に支配階級の間で普及したものでした。その中でも五輪塔は庶民に広まり、墓石としても多く建てられました。
今日多く見られる、石材を縦に積んだ墓石は、「和型(角柱墓、三段墓)」(写真左)と呼ばれるものです。鎌倉~室町時代にかけて禅宗とともに位牌や戒名が中国から伝わると、その影響を受けて位牌型の板碑や今日の墓石に近い角柱墓が作られたとされます。その後、江戸時代に檀家制度が確立したことで庶民の間に供養や仏事の慣習が定着し、個人・夫婦単位で墓石を建てるようになったと言われています。さらに明治中期に家制度が確立すると、墓石も家単位で建立し、仏石(竿石)の正面文字も「○○家(代々)之墓」などと彫られるようになりました。
最近は和型以外の墓石も増えており、主としてオルガンのような横長の石材を使った「洋型」(写真中)や、和型・洋型をアレンジした「ニューデザイン」(写真右)、あるいは従来の形に捕らわれず自由な発想で設計した「オリジナルデザイン」墓石なども見られます。 墓石の種類 また同じ「和型」でも、墓石の構造や標準寸法、細部の形状などは、時代や地方、風習などによって異なります。これは埋葬方法が土葬から火葬に変化したことでも大きく変化しました。竿石の頭部を四角錐状に加工した「神道型」、仏石の上に笠石を載せた「大名墓」、仏石の下にスリンや蓮華台、猫足などを入れたもの、竿石正面を額縁状に加工したものなどさまざまなものがあります。

墓石の構成和型の墓石はいくつかの付属品で構成されています。
お釈迦様の教えに基づけば、香炉・花立て・水鉢の3点が必需品となりますが、墓石のデザインによっては水鉢がないものもあります。
この他、必要に応じて墓誌(法名碑)や塔婆立て、墓前灯籠(置き灯籠、灯明)、物置石、物入れなどが配置されます。
外柵は個々の区画を石で囲ったもので、関西では「結界」「境界石」「巻き石」とも呼ばれます。地上に納骨室を設けて、その上の舞台に墓石本体と付属品を配置する「丘カロート」と呼ばれる構造のものもあります。
いずれにせよ、墓石は重量物を積み上げたものなので、墓地の地形や地盤の強度、気候などを見極めた上で、しっかり基礎工事を行ない、専用の接着剤や金具など地震対策(耐震・免震・制震)に充分配慮した方法で施工しなければなりません。 墓石の構成

日本の伝統的な墓石

一般的な和型の墓石とは違う、伝統的な形のお墓には、「五輪塔」、「宝篋印塔」、「宝塔」、「無縫塔(卵塔)」などがあります。

五輪塔 日本の伝統的なお墓といえば、その代表格として鎌倉~室町時代に普及した五輪塔が筆頭に挙げられます。
五輪塔は、古代インドのバラモン教を起源とする密教の五大思想「地・水・火・風・空(=宇宙を構成する五大要素)」に「識(識大=仏と一体となること)」を加えた弘法大師・空海(真言宗の開祖)の六大の教えに基づいて、「死者を成仏させ、極楽浄土へ往生させる」という救済思想をお墓に採り入れたものです。
空海が中国から伝えた密教には、胎蔵界と金剛界という二種類の曼荼羅があり、それぞれ本尊の大日如来を中心にさまざまな仏様が描かれています。五輪(五大)は胎蔵界の大日如来を、識大は金剛界の大日如来を表しており、この二つの働きが揃って初めて完全な曼荼羅と大日如来となるのです。
また密教の教えにある「即身成仏」(この身のまま仏となる)を成就するには、身(手=印)・口(陀羅尼を唱える)・意(心)による三つの修行「三密」が必要とされますが、真言宗の覚鑁(かくばん)上人(高野聖、別所聖などと呼ばれる念仏集団の一人)が説いた『五輪九字明秘密釈』に五輪塔を人の五体になぞらえた図があり、方形の地輪は座禅で脚を組む姿を、円形の水輪は胎蔵界の大日如来の印(定印)を、三角(笠)の火輪は金剛界の大日如来の印(智拳印)を、半月形の風輪は顔を、宝珠形の空輪は頭を表しています。それは修行したまま成仏・往生する入定(即身成仏)の姿となっているのです。
五輪塔が出現した平安~鎌倉・室町時代までは、下から順に五大を意味する種子「ア・ヴァ・ラ・カ・キャ」を梵字(サンスクリット)で刻みましたが、江戸時代に檀家制度が広まると、宗派別に異なる文字を入れるようになりました。天台宗(密教)は上から南無阿彌陀佛または梵字、真言宗(密教)は梵字、浄土宗・浄土真宗は上から南無阿彌陀佛、禅宗(臨済宗・曹洞宗)は下から地水火風空、日蓮宗は上から妙法蓮華経を刻みますが、種子や文字のない五輪塔も存在します。ちなみに、現存最古の在銘五輪塔は岩手県平泉町の中尊寺釈尊院の五輪塔(仁安四年〔1169年〕)で、最大のものは京都府八幡市の石清水八幡宮の五輪塔(鎌倉中期)で高さが約6メートルもあります。

その他の石塔 五輪塔以外の伝統的な石塔としては、『宝篋印陀羅尼経』を納めることに由来した、笠の四隅に隅飾り突起が付く「宝篋印塔」のほか、『法華経』内の見宝塔品について書かれた章で、多宝如来が釈迦に説教する場面があり、それに基づいて作られたとされる「宝塔(あるいは宝塔の笠の下に屋根を付けた多宝塔)」、あるいは鎌倉時代に禅僧の墓石として卵形の塔身で作られた「無縫塔(卵塔)」などが挙げられます。
全国に存在するこれら石造物の中には、重要文化財に指定されたものも数多く見られます。 その他の石塔

彫刻

墓石には、家名や家紋、メッセージ、絵など、様々なものが彫刻されます。墓石の彫刻の内容や、注意する点についてご紹介します。

彫刻の種類 石材業の字彫り作業は、機械化されるまではノミを使った手彫りでした。現在は主にサンドブラスト機を使って、カーボランダム(炭化ケイ素)と呼ばれる金剛砂を圧縮空気で文字の部分に吹き付けて彫刻します。
和型墓石の場合、仏石(竿石)の正面に彫る文字で圧倒的に多いのは「○○家之墓」「○○家代々之墓」ですが、洋型やニューデザイン、オリジナルデザイン墓石では、遺族または故人へのメッセージ(墓碑銘)として好きな言葉や感謝の気持ちなどを表現したものも見られます。たとえば、言葉では「ありがとう」「やすらかに」「Forever」「Eternally」など、漢字一文字では「愛」「和」「絆」「心」「楽」など、熟語では「一期一会」「倶会一処」(極楽浄土に往生すると、仏や菩薩と同じ場所で暮らすことができる、または現世の別れは別々でも来世で再会できる)などが多く見られます。 彫刻の種類 またお子さんがいないか一人娘、あるいは長男長女の結婚など、将来的に同じ家名の承継者がいなくなり、異なる苗字の祭祀者によって承継されることが予想される場合、両家墓として二つの家名を花立てなどに彫刻したり、家名の代わりに宗派のお題目(南無阿弥陀仏、南妙法蓮華経など)や関連する言葉を刻む場合もあります。
なお存命の建立者名を朱色に塗る習慣は、生前戒名を受けた印として始まったと言われています。
他には家紋や好きな花柄、動物、故人の趣味や嗜好品、事績などを彫刻するケースもあり、彫刻する題材によっては、文字や紋様などの周囲を彫り下げて浮き立たせる立体彫り(浮き彫り)や、彫り師が写真やイラストを見ながら打刻の強弱で陰影を表現する影彫り、コンピュータ制御によりレーザー光線で彫刻するレーザー彫刻(写真彫刻)、あるいは切り絵のように色彩の異なる石材をパーツごとに切り抜いて張り合わせる象嵌(ぞうがん)加工といった特殊な技法が使われることもあります。

書体、気をつけることなど 文字の書体は、楷書体・行書体・草書体・隷書体・ゴシック体などがありますが、コンピュータに登録されたデジタル文字を使用する以外に、書家に依頼したり、自筆の文字で彫ることもできます。
石材店が作成した原稿で最終確認してから彫刻作業に入ります。斉、辺、崎などの漢字はは異体字(旧字など、同じ意味・発音で表記の異なる文字)が幾つもあり、また家紋も似たようなデザインが多数ありますので、間違いがないかしっかり確認しましょう。
お墓に新しいホトケ様をお迎えする時は、石材店に依頼して、墓誌(法名碑)に新しい戒名(法名)を追加彫りしてもらいます。現場へ持ち運びできる移動用彫刻機があり、既存の彫刻文字に合わせて同じ書体と大きさ、深さで彫ってくれます。

お墓用語集

設置場所からみた用語

【公営墓地】
こうえい-ぼち
都道府県、市町村などの自治体が運営・管理する墓地。
宗教・宗派に関係なく利用できる。契約条件は自治体によって異なるので確認が必要。
1㎡当たりの使用料・管理料は安めに設定されているが、民間墓地に比べると区画が大きいことが少なくないので、建墓費用が安いとは限らない。
【個人墓地】
こじん-ぼち
個人の所有地にある墓。
古いものが一般的で、法律上、現在では新しくつくることはできない。
【寺院墓地】
じいん-ぼち
寺が運営・管理する墓地。
境内にあることが多いが、公営墓地の一画にあることもある。管理が行き届いている上、お経を上げてもらう場合などに便利。寺院墓地の取得はその寺の檀家になることとほぼ同義。宗教が違う場合は改宗が条件となることが一般的。
墓を建てる際には石材業者が指定されている場合が多い。
【村落共同墓地】
そんらく-きょうどう-ぼち
地域の共同体によって維持・管理されてきた墓地。
地域の共有地にあることが多い。
【墓地】
ぼち
墳墓(焼骨を埋蔵する施設)を設ける区域。
一般的なものに、「公営墓地」「民営墓地」「寺院墓地」の3種類ある。他に、「個人墓地」「村落共同墓地」がある。
【民営墓地】
みんえい-ぼち
財団法人や宗教法人が運営・管理している墓地。
宗教・宗派を問わないところが一般的。公営墓地に比べ契約条件が緩いところが多い。
費用は千差万別。墓を建てる際には石材業者が指定されているところも多い。「民間霊園」ともいう。

墓の費用、形態に関する用語

【永代使用料】
えいたい-しよう-りょう
墓地を使用する権利を買うために墓地運営者に支払うもの。
平たくいえば「墓の土地を使用する権利代」で、土地を買うわけではない。権利は、「永久」という意味ではなく「墓の継承者がいる限り続く」という意味。「永代使用権」は転貸、転売できない。また、改葬しても返金はされない。
【カロート】
かろーと
墓石の下の地下部分にある空間。
骨壺箱を収納したり、骨壺から出した骨を収納したりする場所。
【管理料】
かんり-りょう
墓地の維持管理のための費用。
年単位で墓地運営者に支払う。金額は墓地によって違う。滞ると使用権が取り消される。都営霊園の場合は5年滞納すると使用権取り消しになり、最終的に墓は更地に戻される。
【墓石】
ぼせき
墓のしるしに建てる石。 石材業者が扱う。伝統的な「和型」、西洋風の「洋型」といったものから、個人(故人)の趣味に合わせたオリジナルデザインまで形は多種多様。「愛」「和」「ありがとう」といった文字を彫った墓石も増えている。
素材は石が一般的だが、ガラスなどもある。輸入品も多い。価格は素材、デザイン、加工によって変わる。
【両家墓】
りょうけ-ばか
墓地に両家の墓を建てたり、1つの墓石に両家の家名を入れた墓。 少子化の影響で、長男、長女が結婚するといった背景からつくられることがある。

納骨場所の形態や管理に関する用語

【家墓】
いえ-はか
継承を前提とした墓。
1つの墓石に複数の遺骨を納める方法は火葬されるようになって普及した形態で、土葬時代は個人ごとに埋葬する個人墓が主流だった。
【永代供養墓】
えいたい-くよう-ぼ
子々孫々での継承を前提とせず、主として寺が子孫に代わって供養する形式の墓。
子供の有無に関わらず、関心をもつ人が増えており、永代供養墓の数は年々増加している。本人の生前申し込みを前提としている寺も多い。個人単位、家族単位、血縁を超えた複数人での納骨など、「誰と入るか」には、さまざまな形態がある。供養という言葉が宗教的意味合いをもつとして、公営墓地などでは、血縁を超えて納骨する場所を「合葬墓」「合祀墓」「合同墓」「共同墓」「集合墓」などと呼ぶケースもある。
【合葬墓】
がっそう-ぼ
血縁を超えた複数人の遺骨を納める墓。
一定期間は骨壷で安置するが、期間が過ぎると骨壷から遺骨を出し、一箇所に共同埋蔵する仕組みの墓が一般的。稀に、最初から共同埋蔵するタイプの墓もあり、「合祀墓」と呼ぶこともある。永代供養墓は、合葬墓の一種。
【共同墓】
きょうどう-ぼ
市民団体などが運営する合葬墓を共同墓と呼ぶことがある。
血縁を超えて複数人を納骨するので合葬墓ではあるが、市民団体やサークルの会員向けであり、仲間で運営するという観点から、共同墓と表現する。
【樹木葬】
じゅもく-そう
1999年に岩手県の寺が始めた新しい葬送方法。
「自然にかえる」というイメージが評判を呼び、全国に広がった。墓地全体を木の多い公園のように整備するものや、納骨した場所に墓標代わりに木を植えるもの、シンボルツリーの周りに納骨するものなど多様。
【手元供養】
てもと-くよう
遺骨の一部あるいは全部を手元に置いて供養する新しい慰霊方法。
専用のペンダントに入れて肌身離さず持つ方法や、ミニ骨壺に入れて仏壇に祀る方法などがある。
【納骨堂】
のうこつ-どう
他人の委託を受けて焼骨を収蔵するための施設。
納骨堂として都道府県知事の許可を受ける必要がある。一般的には遺骨を納める屋内型の施設であることが多く、ロッカー型、仏壇型、墓型などがある。墓石購入の必要がなく、比較的料金が安価なため、都市部を中心に増加している。コンピューター制御で参拝スペースに、自動的に骨壷が運ばれてくるタイプもある。

法律や手続きに関する用語

【改葬】
かいそう
埋蔵されている遺骨を別の墓地や納骨堂に移すこと。墓の引っ越し。
都会への人口集中で、地方の寺から都会の霊園に移すケースが多い。これまで墓のあった市区町村に「改葬許可証」を発行してもらわなければならない。
改葬に際してはそれまでお世話になった寺から「離檀料」と称したお布施を求められるケースもある。
【火葬】
かそう
遺体を焼くこと。
火葬するには市区町村が死亡届を受理した後に出す「埋火葬許可証」が必要。
2011年度の統計によると、遺体総数129万9136体のうち99.8%の129万7771体が火葬されている。
【寿陵】
じゅりょう
生前に建てる墓のこと。
古代中国で寿命が延び縁起のいいこととされた。最近では縁起とは別に、子供がいない、子供に負担をかけたくない、自分らしいものを建てたいという理由で、生前に建てるケースが増えている。
【土葬】
どそう
遺体を直接土に埋める葬送方法。
土葬するには市区町村が出す「埋火葬許可証」が必要だが、ほとんどの自治体は条例で禁止している。東日本大震災では火葬場が使えず、特例として土葬を行った市町村がある。統計的には全体の0.1%ほどが土葬されている。信仰上の理由でイスラム教徒は土葬される。
【納骨】
のうこつ
遺骨を墓地や納骨堂に納めること。
【分骨】
ぶんこつ
1人の遺骨を複数の墓に埋蔵すること。
すでに埋蔵されている場合は墓地運営者に、火葬前であれば火葬場に「分骨証明書」を発行してもらう必要がある。これがないと分骨できないこともある。手元供養など墓に埋蔵しない場合はこの証明書はいらない。
【墓埋法】
ぼまい-ほう
正式には「墓地、埋葬等に関する法律」。
墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等についての法律。1948年成立。管轄は厚生労働省。
【埋葬】
まいそう
墓埋法では、「死体(妊娠4カ月以上の死胎を含む)を土中に葬ることをいう」と定義されている。土葬のこと。
【埋蔵】
まいぞう
遺骨を墓に納めること。
霊園管理者に対して、死亡届を出した自治体で交付され、火葬場が火葬日時などを記入した「埋火葬許可証」の提出が必要。

散骨に関する用語

【散骨】
さんこつ
粉骨を霊園や自然の中にまく葬送方法。
国による法律や規則がなく、「葬送目的で節度を持って行えば違法ではない」という見解が広まったことから、20年ほどの間に知名度を上げた。粉骨をまく場所は、海、無人島などから宇宙まで広がっている。散骨したあと、上から土をかぶせると「散骨」ではなく、「埋蔵」となり、墓埋法で規制対象となるので、違法である。
【自然葬】
しぜん-そう
環境に配慮して行う散骨のこと。
【粉骨】
ふんこつ
遺骨を粉状にすること。
専用の機械で遺骨を細かくする。機械の性能によっては小麦粉のようなパウダー状にしてくれるところもある。散骨する際や、共同埋蔵する際などに用いられる。