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墓地の選び方墓地の選び方

お墓選びには、埋葬のスタイルや、墓地・霊園の種類、それらの特徴、そして、個々の墓地を選ぶ際のポイントについて知る必要があります。
墓地を選ぶ際には、最初に、墓地の種類(埋葬のスタイル、運営主体による区分)や、誰と入るかを決めましょう。それから、宗旨宗派や価格を確認しながら、いくつかのポイントに注意して、個々の墓地を選びましょう。
墓地・霊園は、古くからある個人墓地や共同(集落)墓地を除いて、経営主体や運営の仕方によって3つに分類されます。

安心のお墓探し

納骨のやり方は不安だらけ
いつまでに必要か~情報収集を急ぐべきか、そうでないのか~
大切な人が亡くなってからお墓を用意するケースでは「四十九日までに」「一周忌までに」と時期を区切ってお墓を必要とするケースが多いようです。
一方で、自分用など将来に備えてお墓を必要とするときには、数カ月から数年をかけて準備をしていくこともあります。
どこに買うか~近くのお墓、郊外のお墓、それぞれにメリットがある~
どの地域にお墓を建てたいのかを絞っていきましょう。
自宅から近くがいいのか、郊外にするのか、あるいは寺の境内やその近くで求めるのか。
自宅から離れていない場所に霊園を選べば、お墓参りが容易にできます。
ただ、近所で希望にあった霊園を探すのはなかなか大変。最寄り駅からの鉄道沿線を探す人も多くいます。
一方で、郊外にある霊園には、周囲の自然との調和をうたったものがあるほか、区画面積もゆったりと設計されているところが多いです。専用バスなど送迎サービスが用意されているところもあります。
概算の費用~一般的な墓で、総額100万-200万円が主流~
場所、区画の大きさ、石の材質などによってお墓の値段は大きく変わります。
お墓を建ててからの管理費の存在も考えておかねばなりません。
一般的には、「石の値段」+「区画の値段(永代使用料)」+「年間の管理料」がかかることになります。
100万円以下でおさまるケースがある一方で、何百万もするケースもあります。
一般的なお墓であれば多くは、100万円~200万円の範囲になることが多いようです。
多くの遺骨を集約して供養する「納骨堂」や「合葬墓」では、100万円を下回るものも多くあります。
宗教や宗派の確認を~多くは、宗教や宗派は不問で受け入れ~
公営はもちろん、民間の霊園でも宗教や宗派を問うことなしにお墓を建てることができるようになっているところが圧倒的に多くなっています。
ただ、ごくまれに宗教や宗派を制限している所もありますので注意しましょう。
また、子供がいないなどの理由で、将来的にお墓の供養を霊園やお寺に依頼する場合(永代供養墓)には、その供養は霊園の母体となっている寺院の宗派でされることが一般的です。
神道やキリスト教の場合はどうなのか。霊園で対応が異なりますので、事前の確認が必要です。
お寺の境内にある墓地がある場合には、そのお寺の宗派に限定して受け入れをしているところも多いです。
こだわりの条件を整理~ペットの扱いや、バリアフリー度もチェックしよう~
「ペットと一緒に入りたい」「なるべく安く」「駅の近くがいい」「車いすでお墓参りをしたい」「洋風の墓石を建てたい」など、さまざまな希望があるはずです。
譲ってもいい条件、譲れない条件を整理してみましょう。
資料請求と現地見学~納得し、理解を深める~
候補のお墓が絞られてきたら、資料請求や、実際に足を運んで現地を見学してみることをおすすめします。
詳しい資料や、お墓作りの専門家から説明を受けることで、納得につながるとともに、理解が深まります。
埋葬スタイルを選ぶ~納得し、理解を深める~
「一般墓地」以外に、「納骨堂」、「永代供養墓」、「樹木葬」といった、良く使われる大きなくくりで解説します。

一般墓地(石墓・石塔)墓地に石製の墓標(墓石)を建てるもので、最もポピュラーな形式です。「○○家之墓」などと書かれた墓石の下で家族が眠る「家墓」と、個人ごとに墓石を建てる「個人墓」があります。
墓石のかたちは「和型」と「洋型」に大別できますが、そのどちらにも当てはまらないユニークなものもあります。 一般墓地(石墓・石塔)

納骨堂 大きな建物に多数の人の遺骨を納めるタイプのお墓です。
「遺骨のロッカー」と考えればイメージしやすいでしょう。
納める遺骨は1スペースを1人で使うこともあれば、家族で共有できる施設もあります。
他人の遺骨と一緒にならないので、お墓の引っ越し(改葬)に対応できることなどがメリットです。 納骨堂

樹木葬 草木を墓標にするお墓です。草木は故人1人につき1本の場合もあれば、複数人で1本の場合もあります。
1999年に岩手県一関市の知勝院が始めて、急速に普及しました。
「自然に還る」というイメージで人気が高まっていますが、人によっては「イメージとちょっと違う」と感じるようなところもあります。 樹木葬

永代供養墓 遺骨を骨壺から出して、複数の人と一緒に埋葬するタイプのお墓です。
遺骨は他人のものと混ざるので改葬には対応できません。
納骨堂、樹木葬に納められた遺骨も、一定期間を過ぎれば永代供養墓に移されることが多いです。
ほかのタイプのお墓と比べて購入費が安いことが最大の特徴です。

散骨 文字通り、粉骨を霊園や自然の中にまく葬送方法です。91年に「葬送の自由をすすめる会」が先鞭をつけました。
海に遺骨をまく海洋散骨がポピュラーですが、山林にまくケースもあります。
また、発展型として気球を使って高高度から遺骨をまくものや、ロケットを使っての散骨もあります。
国による法律や規則がありませんが、「葬送目的で節度を持って行えば違法ではない」という見解が広まったことから、2000年頃から認知度、知名度が上がってきました。
ただし、散骨したあと、上から土をかぶせると「散骨」ではなく、「埋蔵」となり、墓埋法で規制対象となり、違法となりますので注意が必要です。 樹木葬

運営主体を選ぶ
墓地・霊園は、古くからある個人墓地や共同(集落)墓地を除いて、経営主体や運営の仕方によって3つに分類されます。
「公営墓地」、「寺院墓地」、「民営墓地」です。また、外観や埋葬法による呼び名もあります。
募集条件の宗旨宗派には、いろいろな表現がありますが、例えば、浄土宗の方であれば、募集条件が「宗教不問」、「浄土宗」、「伝統仏教」であれば、申込できます。
「過去不問」とある場合は、違う宗派の方は、その宗派に改宗することが条件になる、という意味です。
それぞれの特徴を理解して、自分に会った墓地を選びましょう。

公営墓地

「公営墓地」は、都道府県や市区町村などの自治体が運営・管理する墓地です。

  • 特徴

    • 自治体が運営・管理しているので安心感があります。
    • 民営霊園に比べて手頃な価格設定です。
    • 宗旨宗派不問です。
    • 工事指定石材店がなく、自由に業者を選ぶことができますので、相見積もりができます。
  • 注意点

    • 人気のためすでに完売している場合もある。
    • すべての自治体にあるわけではない。
    • 募集期間があり、応募者多数の場合、抽選。
    • 居住しているなど申し込み条件があります。
      (自治体の在住者であること、遺骨があることなど)
    • あまり交通の便がよくない郊外にあることもあります。アクセスも確認しましょう。

寺院墓地

「寺院墓地」は、寺院が境内地の中で主に檀信徒を対象に運営・管理する墓地です。

  • 特徴

    • 地域と密着した寺院ならではの伝統と格式が感じられる。
    • 宗旨宗派の教えに基づいて、寺院本堂で住職による手厚い供養が受けられる安心感。
    • 通年で申し込み可能な場合が多い。
  • 注意点

    • 檀家・信徒になることが条件である場合があります。
      (お寺の活動を支えるため、護持会費や寄付などを納めたり、ご住職との付き合いや年中行事への参加などが必要な場合もある)
    • 石材店が指定される場合があります。
      (=お寺が認めた信頼できる石材店という安心感もある)

民営墓地

「民営墓地」は、財団法人や宗教法人が運営・管理し、主に宗旨宗派を問わない形で,境内の外などの用地で使用者を募集する墓地です。

  • 特徴

    • 区画の種類が豊富で、申し込み条件があまり厳しくない。
      (遺骨の有無に関係なく、生前申し込みが可能である場合が多い。ペットと入れる墓地もある)
    • 公営墓地と比べて多少割高だが、施設やサービスが充実。
    • 宗旨宗派不問の場合が多い。
  • 注意点

    • 石材店が指定される場合あります。
      (=お寺が認めた信頼できる石材店という安心感もある)
誰と入るか、後継はどうなるか
お墓をつくるときにまず考えなくてはならないのは「誰と入る墓か」、「誰に墓の面倒を見てもらうか」ということです。
「○○家の墓」といった伝統的なお墓「家墓」は、代々子孫に受け継がれていますが、最近では、墓の面倒をみる人が少なくなり、他の人が入らない「個人墓」、「夫婦墓」などが増えつつあります。
永代供養墓にすることで、寺や民間の霊園が決められた期間、墓の供養や管理をしてくれます。
「両家墓」という形もあります。
長男・長女同士の結婚、一人娘の結婚などでは実家の墓を維持できない場合もありますので、墓石に両家の姓を刻んで、一つの家族が両家をまつるようにした墓です。
友人や信仰を同じくする人が一緒に入る「共同墓」、単身者や子供のいない夫婦など子孫に墓を継ぐことができない人たちが血縁を超えて一緒に入る「集合墓(合葬墓・合祀墓)」も増えています。
核家族化や単身世帯の増加など生活様式の変化とともに新しい埋葬のスタイルが生まれており、どういう埋葬の形式にするかをよく考えてお墓を決めることが大切になっています。
墓地の環境
お墓選びで欠かせない重要なポイントは、「交通手段」、「設備」、「周辺環境」の3つです。
その中で最も重要なのが「交通手段」、つまり、行きやすさです。
まずは年をとってもお参りできる場所であることが大切です。
元気なうちは、大丈夫でしょうが、高齢になればなるほど墓参りがおっくうになってしまいます。
墓がある最寄りの駅から歩けるのかどうか、バスなどの交通機関の状況などをチェックしましょう。
実際に利用して運行本数などを確認することも大事です。
車を利用する方は、駐車場の整備状況も調べておきましょう。
霊園・墓地の設備には、水場や休憩所、法要設備、法要後の会食場所などがあります。
休憩所があれば、暑い夏の盛りや寒い日でも一息つくことができます。バリアフリーのところもあります。
また、設備だけでなく、管理人が常駐しているか、しっかり掃除がされているかなどの、管理もポイントです。
景観や雰囲気などの周辺環境は、将来をイメージして決めましょう。景観は時間とともに大きく変化します。
「富士山が見える場所」を選んでも、場所によってはビルが建って見えなくなることもありえます。
墓地自体の環境では、墓石にとっては、湿気はよくありません。陽当たりや風通しもチェックポイントです。
また、樹木の近くだと、根が張って地盤に悪影響を与えることもあるので注意しましょう。